
ピアース・ブロスナンがボンド役をつとめる4作目.通算20作目にあたり,第1作「ドクター・ノオ」が公開された1962年からちょうど40周年となる2002年に公開された(日本では2003年).キャストやスタッフはほぼ変わらず"ボンドチーム"が担当.唯一代わったのは前回Qの後継者Rとして紹介されていたジョン・クリースがQを担当することとなった.40周年記念作品ということもあり,随所に過去を振り返る場面,過去作品へのオマージュが見られる.前作ではかなりストーリーが重視されていたせいか,本作ではアクションが際立っている.
北朝鮮人民軍のムーン大佐を暗殺するために北朝鮮に潜入したボンド.見事ムーン大佐との接触に成功するが正体がバレてしまい,大佐を暗殺するものの,自身は拘束されてしまう.14ヶ月にわたる拷問を受け,西側に捕らえられていた亡きムーン大佐の右腕であったザオとの捕虜交換が行われた.拷問に耐えかねたボンドが秘密を漏らしたとするMI6はボンドのライセンスを剥奪する.収容されていた艦を脱出しザオが入院しているとされるキューバの秘密病院へ向かうボンド.そこでNSAの美人エージェント,ジンクスと出会う.キューバで得たザオのダイヤモンドと共にロンドンに戻ったボンドはライセンスを復帰してダイヤモンド王,グスタフ・グレーブスと接触.しかしそこで以前西側の秘密を漏らしていたとされる人物に再び裏切られる.グレーブスが進めていた"イカルス宇宙計画"とは・・.その計画の真の目的は?
ジェームズ・ボンド | ピアース・ブロスナン |
ジンクス | ハル・ベリー |
グスタフ・グレイブス | トビー・スティーヴンス |
ミランダ・フロスト | ロザムンド・パイク |
ザオ | リック・ユーン |
ムーン大佐 | ウィル・ユン・リー |
ファルコ | マイケル・マドセン |
M | ジュディ・デンチ |
Q | ジョン・クリース |
マニーペニー | サマンサ・ボンド |
監督 | リー・タマホリ |
製作 | バーバラ・ブロッコリ/マイケル・G・ウィルソン |
脚本 | ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド |
撮影 | デヴィッド・タッターソル, B.S.C. |
編集 | クリスチャン・ワグナー |
プロダクション・デザイン | ピーター・ラモント |
特殊効果 | クリス・コーボールド |
メイン・タイトル | ダニエル・クラインマン |
音楽 | デヴィッド・アーノルド |
今回のメインは「リビング・デイライツ」以来のボンドカーとしてのアストンマーチンの復活である(私用車として「ゴールデンアイ」「トゥモロー・ネバー・ダイ」にDB5が登場).車種はV12 ヴァンキッシュ.いつものようにマシンガンやミサイルをフロントグリル内に搭載.ボンネット内には目標追尾型の銃も搭載している.そしてファンにはうれしいイジェクター・シート(射出席)の装備も(ただし劇中ではその本来の目的とは全く異なる目的のために使用される).リモートコントロール可能,熱感知システム搭載と他にもさまざまな装備が見られるが,今回の一番の目玉は適応カモフラージュ機能である.原理は割愛するが,この機能により車体が透明化する.この機能のためこの車は"ヴァニッシュ(消滅)"とも呼ばれる.この他車としてはボンドのライバル,ザオが乗るガトリング砲搭載のジャガーXKRなどが登場.Qが支給する秘密兵器としてはどんな防弾ガラスをも破る超高周波リング,サングラス型のバーチャル・リアリティ・マシンなどが登場する.