前作「消されたライセンス」から6年のブランクを経て製作されたのがこの「ゴールデンアイ」.ふたたびメインキャストを一新してボンドは帰ってきた.ボンド役にはピアース・ブロスナン,Mにはジュディ・デンチ,マニーペニーにはサマンサ・ボンド,Qにはおなじみデズモンド・リューウェリンである.今回の敵はかつての同僚である.ボンドのやり口をすべて知り尽くした敵とあって,ボンドはかなり苦戦する.数あるアクションシーンの中でもサンクトペテルブルクの街でのタンクチェイスは圧巻.戦車を操りところかまわず車を追い掛け回すシーンは痛快である.なお本作はこれまで数々のボンド映画でミニチュア効果を手がけてきたデレク・メディングスの最後の作品であり,彼の技術を見せつけられる映像が多々ある.彼はこの作品のあと他界したため,この作品は彼にささげられた.
ボンドとともに任務についていたアレック(006)がソ連の化学兵器工場で殺されてから9年.ボンドはある提督とオナトップという名前の謎の美女と出会う.ところが彼女は提督を殺し,まんまと最新鋭のタイガーヘリコプターを奪った.彼女とアレックを殺したウルモフ将軍が向かった先は宇宙兵器管理センター.以前作られた,すべての電子機械を機能停止に陥らせる兵器,ゴールデンアイを奪うためである.彼女らはゴールデンアイを手に入れセンターを破壊してそこを去った.ボンドはふたたび彼女と接触し問い詰めると,国際犯罪組織「ヤヌス」の名が上がった.ヤヌスのボスとの接触の機会を得たボンドだが,アレックがそのボスだということが判明する.
ジェームズ・ボンド | ピアース・ブロスナン |
ナターリア・シミョノバ | イザベラ・スコプルコ |
アレック・トレヴェルヤン | ショーン・ビーン |
ゼニア・オナトップ | ファムケ・ヤンセン |
ボリス・グリシェンコ | アラン・カミング |
ウルモフ将軍 | ゴットフリード・ジョン |
ヴァレンティン・ズコフスキー | ロビー・コルトレーン |
ジャック・ウェイド | ジョー・ドン・ベイカー |
タナー | マイケル・キッチン |
M | ジュディ・デンチ |
Q | デズモンド・リューウェリン |
マニーペニー | サマンサ・ボンド |
監督 | マーティン・キャンベル |
製作 | マイケル・G・ウィルソン/バーバラ・ブロッコリ |
製作総指揮 | トム・ペブスナー |
脚本 | ジェフリー・ケイン/ブルース・フィアスティン |
撮影 | フィル・メイフュー |
編集 | テリー・ローリングス |
プロダクション・デザイン | ピーター・ラモント |
特殊効果 | クリス・コーボールド |
ミニチュア効果 | デレク・メディングス |
メイン・タイトル | ダニエル・クラインマン |
音楽 | エリック・セラ |
Qの研究室でボンドに渡される秘密兵器は,バックルにワイヤー発射機能がついているベルト,手榴弾になるペンなどである.手榴弾になるペンは話の展開上重要な武器となる.そのほか腕時計はレーザーカッター内蔵,ピトンを発射して巻き取ることができる銃等を使用している.研究室で見ることができるものとしてはギブスに見せかけたロケット弾発射機,X線スキャナとなる銀のトレイ,電話をかけると中でエアーバッグが膨らむ電話ボックスなど.スティンガーミサイルなどを搭載したボンドカー,BMW Z3は登場するが,その機能を見ることはできない.